ゴルフボールを選ぶ際、単に「スリクソン Z-STAR」と言っても、実は年式によって性能が異なることをご存知でしょうか?プロゴルファーたちは微妙な違いを見分けて使い分けていますが、一般のゴルファーにとっては「どの年式のボールを使っているのか」を見分けるのは意外と難しいものです。特にロストボールを購入する際には、年式が不明確なままミックスされて販売されていることも少なくありません。

スリクソン Z-STARシリーズは2年に1度リニューアルされ、そのたびに飛距離性能やスピン性能が向上しています。松山英樹選手が愛用する「Z-STAR XV」をはじめ、「Z-STAR」「Z-STAR ダイヤモンド」など複数のモデルが展開され、それぞれに特徴があります。この記事では、スリクソン Z-STARの歴代モデルを見分ける方法から各モデルの特徴、そして自分のプレースタイルに合ったボールの選び方まで詳しく解説していきます。
記事のポイント!
- スリクソン Z-STARシリーズの歴代モデルを見分ける5つの確実な方法
- Z-STAR、Z-STAR XV、Z-STAR ダイヤモンドの違いと各モデルの特徴
- プロゴルファーが重視するボール選びのポイントと各モデルを使用している主なプロ
- ロストボールを購入する際の年式の見分け方と注意点
スリクソン Z-STARの歴代見分け方と年式の特徴
- Z-STARの年式見分けはアライメントラインが最も確実かつ簡単な方法
- スリクソン Z-STARの矢印デザインは年式ごとに異なる重要な識別ポイント
- 商品名の変更はXシリーズで特に顕著な歴代モデル識別の手がかり
- カラーラインナップの変遷も年式判別に役立つ見逃せない情報
- ディンプルの形状や数はマニアックだが確実な見分け方のひとつ
- カバーの素材感は触れば分かるZ-STARの年式判別法
Z-STARの年式見分けはアライメントラインが最も確実かつ簡単な方法
スリクソン Z-STARシリーズの年式を見分ける上で、最も簡単かつ確実な方法はアライメントラインを確認することです。アライメントラインとは、ボールにプリントされたパッティングの際の目印となるラインのことで、年式によってそのデザインが異なります。例えば、2021年モデルと2023年モデルでは、矢印の形状や「Z-STAR」の文字の配置が明らかに異なっています。
タイトリストのPro V1シリーズを例に挙げると、各年式によってアライメントラインに変更が加えられており、これにより年式を簡単に見分けることができます。スリクソンの場合も同様で、例えば2019年モデルから2021年モデルへの変更では、矢印の内側に三角形の塗りつぶしが追加されるなどの変化がありました。
ボールを手に取った際、まずはこのアライメントラインを確認することで、おおよその年式を判断することができます。特に新しいモデルほど複雑なアライメントラインのデザインになる傾向があり、より視認性や方向性を重視した設計になっています。一方で、古いモデルはシンプルなデザインが特徴です。
アライメントラインはボールの最も目立つ部分であるため、ボールを入手した際に最初に確認すべきポイントと言えるでしょう。ただし、同じシリーズでもアライメントラインはそのままで年式だけが新しくなるケースもあるため、注意が必要です。そのような場合は、次に説明する矢印デザインなど、他のポイントも併せて確認することをおすすめします。
プロゴルファーの中にはアライメントラインの感触やデザインにこだわる選手も多く、松山英樹選手のように「澄んだ高い音がほしい」という要望に応えて開発されたモデルもあります。そのため、自分のプレースタイルに合ったアライメントラインのデザインを選ぶことも、ボール選びの重要なポイントの一つと言えるでしょう。
スリクソン Z-STARの矢印デザインは年式ごとに異なる重要な識別ポイント
スリクソン Z-STARシリーズを年式で見分ける上で、矢印のデザインは非常に重要な識別ポイントとなります。各世代のモデルによって矢印の形状や大きさ、内部の塗りつぶし方が異なるため、これを確認することで年式をより正確に特定できるようになります。
例えば、2017年モデルと2019年モデルでは矢印の形状が異なり、2021年モデルからは矢印の内側に三角形の塗りつぶしが追加されました。さらに細かく見ると、2021年モデルには小さい矢印が2つあるのに対し、それ以前のモデルではデザインが異なります。具体的には、Yahoo!知恵袋の質問にあるように、「矢印の内側に三角塗り潰しが一つなら2021年」というような特徴があります。
矢印デザインの変更は単なる見た目の問題だけではなく、パッティング時の視認性向上やアライメント取りやすさの改善といった機能的な目的もあります。スリクソンでは年式ごとにプロゴルファーからのフィードバックを取り入れながら、より使いやすいデザインへと進化させています。
ロストボールを購入する際には、この矢印デザインをチェックすることで、販売されているボールが本当に説明通りの年式のものかどうかを確認することができます。中には年式が混合されて販売されているケースもあるため、自分の目で確認する習慣をつけると良いでしょう。
また、2020年に一部のユーザーから報告があったように、販売年と実際の年式モデルが一致しないケースもあります。これは、在庫の関係で前年モデルが翌年も販売されることがあるためです。そのため、単に「いつ購入したか」だけでなく、実際の矢印デザインを確認することが重要になってきます。
商品名の変更はXシリーズで特に顕著な歴代モデル識別の手がかり
スリクソンのゴルフボールは、年式によって商品名そのものが変化するケースもあり、これも年式を見分ける重要な手がかりとなります。特にXシリーズ(スリクソン Xシリーズ)では、この傾向が顕著に見られます。
具体的な例として、スリクソンのXシリーズでは2020年に発売された「X2」が、2022年には「X3」となり、2024年には「XmaX」という商品名へと変化しました。このように、商品名そのものに数字や表記が含まれている場合は、その変化を追うことで年式を特定することができます。これは、メーカーが新モデルごとに明確な区別をつけるために行っている戦略の一つです。
一方で、Z-STARシリーズの基本モデルである「Z-STAR」や「Z-STAR XV」は、商品名が変わらないまま継続して使用されています。そのため、これらのモデルでは先に説明したアライメントラインや矢印デザインなどで年式を判断する必要があります。ただし、「Z-STAR ダイヤモンド」のような特別モデルは、特定の年代から登場したものであるため、その存在自体が年代を示す手がかりになります。
メーカーの公式サイトやゴルフ雑誌の記事などを参照すると、各モデルの発売時期や特徴についての情報が得られます。例えば、「Z-STAR ダイヤモンド」は2021年モデルで初めて登場し、2023年モデルでは正式にラインナップに加わったことがわかります。こうした情報を知っておくことで、モデル名からおおよその年代を推測することができるでしょう。
また、ゴルフショップやオンラインストアで新品を購入する場合、最新モデルが店頭に並んでいるのが一般的ですが、旧モデルは値下げされて別の場所に展示されていることが多いです。このような販売状況も、商品名と合わせて確認することで、より正確に年式を把握することができます。
カラーラインナップの変遷も年式判別に役立つ見逃せない情報

スリクソン Z-STARシリーズのカラーラインナップも、年式を判別する上で見逃せない情報です。年代によって提供されるカラーバリエーションは変化しており、これを知っておくことで年式特定の手がかりとなります。
例えば、タイトリストのPro V1及びPro V1xの場合、白色に加えて黄色のカラーボールが存在しますが、黄色は2019年モデルから登場したカラーリングで、それ以前の2017年モデルやそれ以前には存在しませんでした。同様に、スリクソンのZ-STARシリーズでも、カラーラインナップは年代によって変化しています。
具体的な例として、スリクソンのZ-STARシリーズでは2019年までは白、黄、ロイヤルグリーン、パール、オレンジの5色が展開されていましたが、2021年からは白、黄、ロイヤルグリーンの3色展開に変更されました。このような情報を知っておくと、手元のボールがどの年代のものかを判断する助けになります。
また、2021年モデルからは「ディバイド」というツートンカラーのゴルフボールが登場しました。発売当初は黄/白のツートンとオレンジ/白のツートンの2パターン展開でしたが、2023年モデルからは黄/白のツートンの1パターンのみの展開となりました。このディバイドモデルはアライメントラインがないため、商品名へ記載されている「・」の有無で年式を確認できます。
カラーの種類だけでなく、パッケージデザインも年式によって異なります。2023年モデルでは、Z-STARのパッケージはブラック、Z-STAR XVはレッド、Z-STAR ダイヤモンドはホワイトというカラーリングが採用されており、これも年式を判断する際の参考になるでしょう。特に新品を購入する場合は、パッケージデザインで最新モデルかどうかを確認することができます。
ディンプルの形状や数はマニアックだが確実な見分け方のひとつ
ゴルフボールのディンプル(表面のくぼみ)は、アライメントラインやカラーで年式を判断できない場合に役立つ、やや専門的ではあるものの確実な見分け方の一つです。ディンプルの数や形状、配置パターンは年式によって変化することがあり、これを見極めることで年式を特定できる場合があります。
スリクソンの例では、Z-STARシリーズのディンプルは2023年モデルでは深くなり、弾道の安定性を高める設計に変更されています。ディンプル数は338個と変わらないものの、その深さが調整されたことで、特に風が強いコンディションでも安定した弾道を実現しています。これはツアープロからのフィードバックを受けて行われた改良点の一つです。
ただし、正直なところ、ディンプルの違いはプロのような目利きでなければ見分けるのが難しいケースがほとんどです。しかし、中には見分けやすいゴルフボールも存在します。その代表例がスリクソンの「ディスタンス」というゴルフボールで、このモデルはディンプルパターンの違いが年式判別の重要な手がかりとなります。
ディンプルを確認する際は、ボールを光に当てて影の付き方を観察すると違いが分かりやすくなります。例えば、2021年モデルと2023年モデルでは、ディンプルの深さや配置に微妙な違いがあり、光の反射の仕方が異なります。これは専門的な知識がなくても、複数のモデルを並べて比較すれば気づける違いです。
さらに、ディンプルデザインの変更は単なる見た目だけでなく、ボールの空力特性にも影響します。例えば、2023年モデルの弾道はやや低く設計されていますが、これはツアープロたちが風の強いコンディションでより安定したショットを打てるようにという意図があります。このように、ディンプルの違いはボールの性能に直結する重要な要素なのです。
カバーの素材感は触れば分かるZ-STARの年式判別法
ゴルフボールのカバー(表面の素材)も、年式を見分ける上で役立つポイントの一つです。スリクソン Z-STARシリーズでは、年式によってカバーの素材や厚さ、表面加工が変化しており、これが打感やスピン性能に影響を与えています。
例えば、2023年モデルのZ-STARシリーズでは、「Spin Skin+」という高摩擦コーティングが施されています。このコーティングによって、アプローチショットでのスピン量が増加し、フェースに吸い付くような打感が実現されています。このコーティングの有無や質感は、指で触れることである程度判断できます。
カバーの厚さも年式によって変化しています。一般的に、カバーが厚いほどショートゲームでのスピン性能が向上し、薄いほど飛距離性能が向上するという特性があります。例えば、2021年モデルのZ-STARはカバーがやや厚くなり、アプローチとグリーン周りのスピンが向上した一方、Z-STAR XVはカバーの厚さを変えずにインナーコアを改良することで飛距離性能を向上させています。
カバーの素材感は見た目で判断するのは極めて難しく、ほぼ不可能と言えるかもしれません。しかし、触った際の手触りで判断することは可能です。食いつくような手触りがする場合はウレタンカバー(高級モデルに使用)であり、ツルツルした手触りはアイオノマー(普及モデルに使用)である可能性が高いです。
また、カバーの耐久性も年式によって向上しています。例えば、5ホール程度使用した後のボールの状態を見比べると、新しいモデルほど傷が付きにくく、耐久性が向上していることがわかります。これは「SeRM」(スライドリング・マテリアル)と呼ばれる超分子素材を使ったコーティングの効果で、2021年モデル以降で採用されています。

スリクソン Z-STARシリーズの歴代モデルと性能比較
- 2015年から2023年までの歴代Z-STARシリーズの進化の軌跡
- Z-STAR、Z-STAR XV、Z-STAR ダイヤモンドの各モデルの明確な違いと特徴
- Z-STAR XVは松山英樹も使用する飛距離性能に優れたモデル
- Z-STAR ダイヤモンドはアイアンスピン特化型で高い評価を得ている新星
- ロストボールでも年式を見分けることでコスパ良く高性能ボールを使用可能
- まとめ:スリクソン Z-STAR歴代見分け方と自分のゴルフスタイルに合った選び方
2015年から2023年までの歴代Z-STARシリーズの進化の軌跡
スリクソン Z-STARシリーズは2009年に誕生して以来、約2年ごとにモデルチェンジを繰り返し、その度に性能が向上してきました。2015年から2023年までの間だけでも、目覚ましい進化を遂げています。
2015年モデルは当時としては画期的な低スピン・高初速設計が特徴で、ドライバーの飛距離性能に優れていました。しかし、アプローチなどのショートゲームでのスピン性能はやや控えめでした。その後、2017年モデルではカバー素材の改良によりショートゲームでのスピン性能が向上し、より幅広いゴルファーのニーズに応えるモデルへと進化しました。
2019年モデルでは「ニューウレタンカバー」が特徴で、業界最薄の0.5mmという薄さを実現しました。薄いカバーによって、コアを大きくすることができ、その結果としてボールスピードが向上し、飛距離性能がさらに高まりました。この頃からZ-STARシリーズは飛距離とスピンのバランスに優れたボールとして、プロゴルファーからの支持を集めるようになります。
2021年モデルでは大きな変革がありました。Z-STARはカバーをやや厚くすることでアプローチとグリーン周りのスピンを向上させ、Z-STAR XVはコア構造を二層から単層に変更することで初速感を向上させました。また、「Z-STAR ダイヤモンド」が新たに加わり、特にアイアンショットでのスピン性能を重視したモデルとして登場しました。さらに「ディバイド」というツートンカラーのモデルも追加され、ラインナップが大幅に拡充されました。
最新の2023年モデルでは、コアの硬度分布をさらに最適化した「ファストレイヤーD.G.」コアを採用。これにより、ドライバーでの高初速と適正なスピン量を両立しつつ、アイアンやアプローチショットでの優れたスピン性能を実現しています。また、表面コーティングも「Spin Skin+」へと進化し、フェースにのっている時間が長く感じられるようなやわらかな打感と、短い距離での安定したスピン性能を両立させました。
このように、2015年から2023年までの間だけでも、スリクソン Z-STARシリーズは飛距離性能、スピン性能、打感など、あらゆる面で進化を続けてきました。各年式の特徴を知ることで、自分のプレースタイルに合ったモデルを選ぶことができるでしょう。
Z-STAR、Z-STAR XV、Z-STAR ダイヤモンドの各モデルの明確な違いと特徴
スリクソン Z-STARシリーズには、現在「Z-STAR」「Z-STAR XV」「Z-STAR ダイヤモンド」の3つの主要モデルがあり、それぞれに明確な違いと特徴があります。これらを理解することで、自分のプレースタイルに最適なモデルを選ぶことができます。
まず「Z-STAR」は、トータルパフォーマンスを追求し、ソフトなフィーリングと高いスピン性能を兼ね備えたモデルです。3層構造(スリーピース)のボールで、コンプレッションは90です。フェースにのっている時間が長く感じられるようなやわらかな打感が特徴で、ショートゲームでの安定したスピン性能に優れています。ドライバーでは低めのライナー性の弾道になりやすく、インテンショナルショット(意図的にフェードやドローを打つこと)も打ちやすいという特徴があります。稲森佑貴プロや香妻陣一朗プロなど、フィーリングを重視するプロゴルファーが使用しています。
次に「Z-STAR XV」は、トータルパフォーマンスを高めながらも、特にドライバーの飛距離性能を重視したモデルです。同じく3層構造ですが、コンプレッションは102とやや硬めです。全体的にカチッとした打感が特徴で、高弾道で直進性の高いボールが打てます。スピン量も十分確保されており、松山英樹選手をはじめとする多くのトッププロが使用しているモデルです。特に強い弾道で風に強いという特性があり、競技志向の強いゴルファーに好まれています。キャメロン・チャンプのような飛ばし屋のプロも、その飛距離性能と風への強さ、安定性を評価して使用しています。
そして「Z-STAR ダイヤモンド」は、2021年モデルで初登場し、2023年モデルから正式ラインナップとなった比較的新しいモデルです。グリーンを狙う精度を高めるために、特にアイアンショットでのスピン性能を強化しています。フィーリングは「Z-STAR」と「Z-STAR XV」の中間的な特性で、適度なやわらかさの中に芯がある打感が特徴です。ブルックス・ケプカや畑岡奈紗プロなど、アイアンショットの精度を重視するプロが使用しており、特に硬く締まったグリーンに対してスピンで止める戦略を取るプレーヤーに好まれています。
これら3つのモデルを比較すると、ドライバーでの初速と弾道、アイアンショットでのスピン量、ショートゲームでの打感とコントロール性能などに違いがあります。ドライバーの飛距離を最優先するなら「Z-STAR XV」、ショートゲームでのフィーリングとコントロール性能を重視するなら「Z-STAR」、アイアンショットの精度を高めたいなら「Z-STAR ダイヤモンド」が適しているでしょう。自分のプレースタイルとゴルフコースの特性に合わせて選ぶことが大切です。
Z-STAR XVは松山英樹も使用する飛距離性能に優れたモデル
スリクソン Z-STAR XVは、松山英樹選手をはじめとする多くのトッププロが使用する、飛距離性能に優れたモデルです。その特徴と性能について、詳しく見ていきましょう。
Z-STAR XVの最大の特徴は、その飛距離性能の高さです。コンプレッション102というやや硬めの設定により、高いボール初速を実現しています。2023年モデルでは、「ファストレイヤーD.G.」コアを採用し、表面寄りの硬度変化を緩やかに、中心寄りでは硬度差をしっかりつけることで、それぞれのクラブで求められるスピン性能やフィーリングを実現しています。この設計により、特にドライバーでは低スピンで高初速の弾道が得られ、飛距離を最大化しています。
松山英樹選手がZ-STAR XVを選んでいる理由の一つは、ドライバーでの飛距離性能だけでなく、風に強いという特性です。ツアープロのプレーする環境では、風が強いコンディションでのプレーも多く、そうした状況でもボールが安定して飛ぶことが求められます。Z-STAR XVの弾道は直進性が高く、風の中でも安定した飛行を実現しています。実際、スリクソンのボールは風の中でも良いパフォーマンスを発揮すると評判で、リーダーボードの上位にスリクソン使用のプロが目立つという報告もあるほどです。
また、Z-STAR XVの打感も特筆すべき点です。一般的に飛距離性能を重視したボールは硬い打感になりがちですが、Z-STAR XVは適度な硬さがありながらも、コアがしっかり感じられるような独特の打感を持っています。これは2021年モデルから採用された単層コア技術によるもので、従来の二層コアから単層コアに変更したことで、変形がスムーズに起こり、エネルギーロスを減らしています。この技術は、ドライバーでの飛距離性能だけでなく、アプローチショットでの打感の向上にもつながっています。
2023年モデルのZ-STAR XVは、さらにディンプルパターンも改良され、弾道がやや低くなるように設計されています。これはツアーからのフィードバックを参考にした改良で、より風が強いコンディションでの安定性を高めています。また、「Spin Skin+」コーティングの採用により、アプローチでのスピン性能も前モデルより向上しています。
Z-STAR XVを使用しているプロは松山英樹選手だけでなく、シェーン・ローリー、山下美夢有プロ、小祝さくらプロなど多岐にわたります。彼らに共通しているのは、飛距離性能の高さと安定した弾道を重視し、同時にグリーン周りでの高いコントロール性能も求めているという点です。アマチュアゴルファーの中でも、ヘッドスピードが速くドライバーの飛距離を伸ばしたい人や、風の強いコースでプレーする機会が多い人には、Z-STAR XVが適している可能性が高いでしょう。
Z-STAR ダイヤモンドはアイアンスピン特化型で高い評価を得ている新星

「Z-STAR ダイヤモンド」(以下、Z-STAR ◆)は、スリクソン Z-STARシリーズの中でも比較的新しいモデルであり、アイアンショットでのスピン性能に特化した設計で高い評価を得ています。このモデルの特徴と誕生背景について詳しく見ていきましょう。
Z-STAR ◆が開発された背景には、PGAツアーのプロゴルファーたちからの具体的な要望がありました。彼らが直面していたのは、ツアー会場となるゴルフコースの硬く締まったグリーンです。そのようなグリーンに対して、ロングからミドルアイアンでもしっかりとスピンをかけて止めたいという要望に応えるために開発されたのが、このZ-STAR ◆なのです。
この「ダイヤモンド」という名前のボールは、当初は2021年モデルで数量限定のテスト販売として登場しました。しかし、その性能の高さからツアープロだけでなく一般のアマチュアゴルファーからも高い評価を得たため、2023年モデルからは正式にラインナップに加わり、通常販売されるようになりました。
Z-STAR ◆の最大の特徴は、アイアンショットでのスピン量の多さです。室内計測データによると、7番アイアンでのスピン量は7,310rpmと、Z-STAR(6,748rpm)やZ-STAR XV(6,864rpm)に比べて500rpm程度も多いという結果が出ています。これは、アイアンショットの精度を高めるために中間層の硬度を最適化した結果であり、特にアイアンでのスピン性能を重視するゴルファーにとって大きなメリットとなります。
また、Z-STAR ◆のフィーリングは、Z-STARとZ-STAR XVの中間的な特性を持っています。適度なやわらかさの中に芯がある打感で、ドライバーショットでは「Z-STAR XV」寄りの性能(高弾道で直進性が高い)を、アイアンとアプローチでは「Z-STAR」に近い性能(コントロール性能が高い)を発揮します。特に2023年モデルでは初速感も向上しており、「弾きがよくて飛んでいる気がする」とプロからの評価も高いです。
Z-STAR ◆を使用しているプロゴルファーには、ブルックス・ケプカ、畑岡奈紗プロ、星野陸也プロ、植竹勇太プロなどがいます。特に植竹勇太プロは、アイアンでのスピンの多さに惹かれて先代モデルから愛用しており、2023年モデルではパターの打感も改良されたことを評価しています。
アマチュアゴルファーにとっても、Z-STAR ◆は非常に魅力的な選択肢です。特に、最近の飛び系アイアンを使用していて「アイアンのスピン量が足りない」と感じているゴルファーには、このモデルがマッチする可能性が高いでしょう。また、グリーンが硬いコースを頻繁にプレーする方や、アイアンショットの精度向上を目指している方にもおすすめできるモデルです。
ロストボールでも年式を見分けることでコスパ良く高性能ボールを使用可能
ゴルフボールは高性能になるほど価格も高くなり、特にウレタンカバーを使用したツアーボールは1ダースあたり5,000円から7,000円程度と決して安くはありません。そこで多くのゴルファーがコストパフォーマンスを考慮して選択するのが「ロストボール」です。しかし、ロストボールを購入する際には年式の見分け方を知っておくことが非常に重要です。
ロストボールの販売業者によっては、年式を分けずにゴルフボールを販売しているケースが多く見られます。最悪の場合、10年以上前のモデルも混ざっていることもあり得ます。スリクソン Z-STARシリーズは2年に1度モデルチェンジしていますので、古いモデルと最新モデルでは性能に大きな差が生じています。例えば、2015年モデルと2023年モデルでは、初速性能やスピン性能、耐久性など様々な面で進化しています。
そこで重要になるのが、この記事で解説してきた年式の見分け方です。アライメントライン、矢印デザイン、商品名、カラーバリエーション、ディンプル、カバーの素材感などを確認することで、手元のロストボールがどの年式のものかを判断できます。特にアライメントラインと矢印デザインは、最も分かりやすい判別方法です。
また、一部のロストボール専門店では、年式ごとに分けて販売しているケースもあります。例えば、「リゴルフ」というロストボール販売専門店では、ゴルフボールに存在する年式もしっかり見分けて年式ごとの販売を行っているとしています。このような店舗を選ぶことで、より確実に目的の年式のボールを入手することができるでしょう。
ロストボールの等級(ランク)にも注目すべきです。一般的に、S級、M級、B級、C級、R級などとランク分けされており、S級は新品同様、C級はややスクラッチ(傷)があるという具合です。新しい年式のボールであっても、等級が低ければ性能が落ちている可能性があります。逆に言えば、やや古い年式でもS級のボールであれば、十分な性能を発揮する可能性があります。
最後に、価格と性能のバランスを考えることも大切です。例えば、最新の2023年モデルのZ-STAR XVをS級で購入する場合、新品の半額程度の価格で購入できることもあります。一方、2019年モデルならさらに安く入手できるかもしれませんが、性能面では2023年モデルに劣ります。自分のゴルフレベルや予算、どの程度性能にこだわるかを考慮して、最適なバランスを見つけることがコストパフォーマンスの良いボール選びのポイントです。

まとめ:スリクソン Z-STAR歴代見分け方と自分のゴルフスタイルに合った選び方
最後に記事のポイントをまとめます。
- スリクソン Z-STARシリーズの年式を見分ける最も簡単な方法はアライメントラインの確認である
- 矢印デザインは年式ごとに異なり、内側の塗りつぶしやサイズが変化している
- 商品名の変更はXシリーズで特に顕著で、X2→X3→XmaXと進化している
- カラーラインナップも年式によって変化しており、2021年からはディバイドというツートンカラーが登場した
- ディンプルの形状や数も年式によって変化し、2023年モデルではより深くなりボールの安定性が向上した
- カバーの素材感は触れることで判断でき、ウレタンカバーは食いつくような手触り、アイオノマーはツルツルした手触りが特徴
- Z-STARシリーズは2年に1度モデルチェンジし、2015年から2023年までの間にも大きく進化している
- 現行の主要3モデルはZ-STAR(ソフトフィーリングとスピン性能)、Z-STAR XV(飛距離性能)、Z-STAR ダイヤモンド(アイアンスピン特化)という特徴を持つ
- Z-STAR XVは松山英樹選手も使用する飛距離性能と風への強さが特徴のモデル
- Z-STAR ダイヤモンドはPGAツアープロの要望から生まれた、硬いグリーンに対応するためのアイアンスピン特化型モデル
- ロストボールを購入する際は年式を見分けることで、コストパフォーマンス良く高性能ボールを使用可能
- 自分のゴルフスタイル(飛距離志向かコントロール志向か)やプレーするコースの特性(風が強いか、グリーンが硬いか)に合わせてモデルを選ぶことが重要